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    心に問いかける言葉たち、井上雄彦先生が描く「リアル」の魅力とは?

    「スラムダンク」でおなじみの井上雄彦先生が描く漫画「リアル」は、ひとりひとりの登場人物の「リアル(REAL)」を描いている作品です。「リアル」に直面する登場人物の言葉たちは、まるで本当に生きているかのよう。井上雄彦先生が描く「リアル」の魅力をご紹介します。

    井上雄彦先生が描く「リアル」とはどんな漫画?

    「リアル」は、「スラムダンク」でおなじみの井上雄彦先生が描く漫画で、「週刊ヤングジャンプ」に不定期連載をしている作品です。キャッチコピーは「それぞれが向き合う現実 REAL――」。

    車イスバスケを通じて出会う、戸川清春、野宮朋美、高橋久信、この3人を中心に、様々な挫折や困難と闘っていく姿を、井上雄彦先生が「リアル(REAL)」に描いています。

    井上雄彦先生が描く「リアル」は、2001年に「第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」を受賞しました。

    井上雄彦先生が描く、3人の主人公たちの「リアル」

    井上雄彦先生が描く、3人の主人公たちの「それぞれが向き合う現実 REAL――」。

    その3人の「リアル(REAL)」を中心に物語が展開していきますが、井上雄彦先生ワールドの中心人物たちは、どんな人物なのかをそれぞれご紹介します。

    戸川清春(とがわ きよはる)

    元々はピアニストであり、短距離走の有力選手であった主人公のひとり・戸川清春(とがわきよはる)。彼は骨肉腫により右脚を切断することになります。その後車イスバスケと出会い、車イスバスケチーム「東京タイガース」に所属するプレイヤーのエースになっていきます。

    野宮朋美(のみや ともみ)

    風貌は強面ですが、陽気な性格の野宮朋美(のみや ともみ)。彼は偶然夜の街でナンパした山下夏美を乗せたバイクで交通事故を起こし、夏美を下半身不随にしてしまいます。自分のせいで夏美の人生を狂わせた罪悪感に苛まれ、高校を退学しますが、戸川との出会いをきっかけに、バスケットボールを中心とした新たな自分の道を見出そうとします。

    高橋久信(たかはし ひさのぶ)

    野宮の同級生で、バスケ部のチームメイトの高橋久信(たかはし ひさのぶ)。小学校からバスケに携わっていましたが、交通事故により下半身不随になります。それを受け入れることができず、野宮と衝突するなど、自尊心の強い性格ですが、様々な人々との出会いにより少しずつ自分を変え、新たに車イスバスケに自分の活路を見出そうとしていきます。

    井上雄彦先生が「リアル」で描いている、車椅子バスケとは?

    井上雄彦先生が描く「リアル」に登場する車椅子バスケ。

    その車椅子バスケットボールとは、障害者が車椅子で行うバスケットボールです。夏季パラリンピックの公式種目になっています。

    選手が車椅子に乗り、競技する以外は一般のバスケットボールとほぼ同じルールで行われています。コートの広さ、バスケットの高さ、試合時間、得点、ファウルやヴァイオレイションのルールもほぼ同等となっていて、唯一異なる点は、ダブルドリブルに相当するルールがないことです。

    また、一度にコート上でプレイできる選手に関しては障害の程度に応じてクラス分けされているのも、車椅子バスケの特徴です。

    「リアル(REAL)」を生きている彼らの、心に響く言葉たち

    井上雄彦先生が描く「リアル(REAL)」は障害を抱えていることで、心に傷を抱えている彼らだからこそ、見えているものを描いています。そんな彼らがつむいだ言葉は、考えさせられ、心に直接響いてきます。

    「リアル(REAL)」を生き抜く彼らの言葉たちを、いくつかご紹介します。

    「今いる場所がつまんねえ職場だろうと
    俺の道であることに変わりはねえ
    俺のゴールにどうやってつながるかは知らねえが
    いつかつながることだけは確かだ」

    「正解があるわけじゃない
    何かに似せる必要もない
    形を整えることが先にあるんじゃなくて・・・
    思いをまず聞いてあげること・・・自分の
    本当にちゃんと聞こえるまで耳をすますこと
    そのうち何かを気持ちいいと感じる自分に気がついたら
    その想いに従えばいいんだ
    君自身の声を・・・聞こえないふりをしていると・・・
    そのうち本当に聞こえなくなってしまう
    君の思いをそのまま表したらいい」

    「どうせ泣くんならやりたいことやれば」

    「自分を受け入れらないなら他人の価値も見えやせん
    現在の自分ー等身大の自分を受け入れた人間だけが他人を受け入れることができる
    他人を認め受け入れることができたなら
    今の自分を受け入れられる日も近い」

    「オメーはひとりじゃねーぞ」

    井上雄彦先生が描く「リアル」の作中で出てくる、数ある言葉の中から厳選して、心に響く言葉たちをご紹介しましたが、いかがでしょうか?相手に問いかけて紡いだ言葉は、きっと自分自身にも言い聞かせるように問いかけているのかもしれません。

    もしも何かに迷っていて、この言葉たちが響いたのなら、一歩前に踏み出すきっかけを与えてくれるでしょう。

    井上雄彦先生が「リアル」を通じて伝えたいこと

    井上雄彦先生が描く漫画「リアル」をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

    井上雄彦先生はまだ「リアル」の連載途中です。

    話の本筋は、野宮、戸川、高橋の3人が「失ってしまったものを、もう取り戻せない過去を、別の何かで埋めていく」話です。周りの脇役も個性豊かで、それぞれのキャラクターにまつわるエピソードも掘り下げて描かれていて、読み応えがあります。

    これからも井上雄彦先生なりの「リアル」が描かれていきますが、これから先の話が楽しみな漫画のひとつです。

    井上雄彦先生が描く「リアル」。今後の話が非常に気になる作品ですので、ぜひ井上雄彦先生の「リアル」を詠んでみてください。

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